高く澄んだ青空、綿菓子のようにもくもくとした雲など、今年も夏の匂いを感じられる季節となりました。筆者は暑さに弱いのですが、それでもなぜか夏が近づくと、何か楽しいことが起こりそうなドキドキワクワクとした気持ちが湧きあがり、この気分を気に入っています。読者の皆様は、今年の夏をどのように過ごされますか?海や山でのスポーツやアウトドア、庭や田畑の手入れ、夏祭りや花火など、楽しいイベントがたくさん待っていますが、やはりケガや体調不良を起こさずに最後までやりきってこそ。中でも、熱中症は頻度が高く、重症化すると命にも関わるため、特に注意したい病気と言えます。
そこで今回は、熱中症予防の基本を復習するとともに、暑い夏を乗り切るために日々の生活の中で実践できるポイントを紹介したいと思います。
熱中症とは、暑さによって、私たちの身体に生じる様々な障害の総称です。
私たちの身体は暑さを感じると、皮膚の表面を流れる血流を増やし、汗を出すことで体温を一定に保つ機能があります。しかし、汗を流しすぎることで体の中の水分や塩分が失われてしまうと(脱水)、その調節機能が十分にはたらかなくなり、身体のだるさやめまい、頭痛、吐き気といった多くの症状が現れます。さらに脱水が進むと、脳の機能が損なわれて意識障害を起こし、心臓、腎臓、肝臓などの機能が損なわれることで死に至る場合もあります。
熱中症は、気温や湿度といった「環境要因」に、スポーツや労働の強度・時間・服装などの「行動要因」と、体調や年齢、持病、暑さへの耐性といった「身体要因」が重なることで起こります。それぞれの要因について、その評価と対応の方法を見ていきましょう。
「健康さんぽ79号」
※一般財団法人君津健康センターの許可なく転載することはご遠慮下さい。